データ入力をキーボードとモニターを使って行うようになったのは、1970年代に開発が始まり、稼働開始した第二次オンラインシステムからです。それまでは、入力はパンチカードを使用していました。
現在のネット証券のように、顧客が注文データを直接入力するわけではありませんから、電話等で受けた注文を従業員がシステムに入力する必要があります。株式は支店の窓口で注文を受けて対応する窓口社員が入力、あるいは電話で受けた注文を受電者が入力します。ところが、債券は店頭取引が中心ですから、上記の注文形態に加えて、本店ディーリング・ルームでも入力します。なぜなら、顧客からの注文が即座に入力されればよいのですが、入力が後回しにされる場合も少なくありません。そこで、ディーリング・ルームでは受けた注文と同じものをシステムに即座に入力することによって、自己が持つ残(在庫=ポジション)をできるだけ早く更新する必要があるからです。この入力データを「メモ」と呼んでいました。
しかし、ディーラーはこのメモを自分で入力しません。なぜなら、ディーラーは電話で「もしもし」の4文字が言えないくらいに忙しいからです。それに加えて、キーボードに慣れていなかったということもあります。現在のキーボードはJIS規格に則ったキー配列ですが、この頃のキーボードは「あいうえお」順・「ABC」順でした。これも、できるだけ慣れ親しみやすくするという当時の配慮の結果だと思います。そこで「インプット・センター」なる組織がルーム内に作られました。そこには、キーボード入力を得意とする若者が派遣社員として常駐していました。ディーラーは、入力データ用の紙のアプリケーション・フォームにペンで殴り書きし、それをインプット・センターに回して、できるだけ早く入力してもらったのです。インプットセンターのキーボードはさすがにJIS配列でした。
入力画面は、入力項目毎に入力エリアがあって、項目名あるいは説明が付いた、洗練された画面を思い浮かべられるかもしれません。しかし、実際は、真っ黒な背景に「・・・・+・・・・+」のようなガイドラインがあって、その下に複数の項目を続けて入力していく、愛想のない形式でした。これを「カラムフィックス形式」と呼んでいました。タブキーを押下する必要がなく、手間と入力時間を節約できるのです。これはもちろん、入力のプロであるインプット・センターを意識して設計・開発されたものです。この様式は第三次オンラインまで続きました。最初はびっくりしましたが、一定の効果はあったように思います。
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インプットセンター – 証券業界の言の葉
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