トリ

証券会社の買いのことを言います。取る=自分のものにする、が語源だと思います。堂島米会所では売買に際して手指で数字が表現し、手のひらを自分に向けて「買い」を意思表示しました。買うことを「取る」・売ることを「遣る」と言い、相場では「取ろう取ろう(買いだ!買いだ!)」「遣った遣った(売れ!売れ!)」という声(ガヤ)が飛び交ったとされます。なので、顧客の売りを直接的に示す言葉ではありません。

BBからホットラインが入り、銘柄△△の売り気配が伝えられた時、課長に「○○さん、△△1本売り物が出てますぅ」と言うと、課長はおもむろに低い声で「とっとけ!」と言う光景がよくありました。一日終わって、課長が「ウチのトリ分はいくらだ?」などと聞く姿は、まるで反社系の方のようだったことを覚えています。

堂島が語源であれば「トリ」の対語は「ヤリ」ということになりますが、実際「ハメ」もよく使われました。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です