午前の取引時間帯のこと。昔「まえば」と読んだ大蔵大臣がいましたが「ぜんば」が正解です。現在は午前9時から午前11時半ですが、1991年までは午前11時までの2時間でした。英語ではMorning Sessionと言われます。
場が立っている間には、市場関係者は緊張を以てこれに接しているわけですが、これは決して午前9時からというわけではありません。もちろん、午前9時になれば前場が開いて、値段が付くか、気配になるかでその後の取引に影響を大きく与えるわけですから、緊張するわけすが、実際にはそれ以前に、取引所に対して証券各社は発注行為を行っています。それまでに入力されて溜まった注文や前日から繰り越し注文を前場が開く前(だいたい午前7時~7時半)に一気に取引所に送ります。ここでエラーが出ようものならもう大変です。実際に午前9時の板で寄り付く前に注文が出揃っているわけです。この状態を確認してひと安心してから寄りを迎えます。
中国株式市場にはプレ・オープニング・セッションという前場の直前に行われる時間帯があります。ひと言でいえば、日本で言う「板寄せ」を行う時間帯です。取引所はその目的を、公平な寄付値段を決定することと取引システムの負荷を軽減することと説明しています。香港を例にとってみると、以下の4つから構成されています(現地時間)。
Order Input Period | 午前9時~ 午前9時15分 | 注文の入力・訂正・取消が可能で、IEP(Indicative Equilibrium Price=均衡価格)が随時更新。注文はIEPの上下20ティックの範囲内で受付られます |
No-cancellation Period | 午前9時15分~ 午前9時20分 | IEP安定化、公正な相場形成調整や、付け合せの準備を行う時間帯。成行注文のみ受付されます |
Random Matching Period | 午前9時20分~ 最長午前9時22分 | 注文の付け合わせの時間帯で最終IEPが決定。既注文は、価格優先・時間優先の原則により最終IEPで約定されます |
Blocking Period | 上記終了次第~ 午前9時30分 | 注文休止時間で前場の準備期間です |
Order Input Period 午前9時~9時15分 注文の入力・訂正・取消が可能で、IEP(Indicative Equilibrium Price=均衡価格)が随時更新。注文はIEPの上下20ティックの範囲内で受付られます
No-cancellation Period 午前9時15分~9時20分 IEP安定化、公正な相場形成調整や、付け合せの準備を行う時間帯。成行注文のみ受付されます
Random Matching Period 午前9時20分~最長午前9時22分 注文の付け合わせの時間帯で最終IEPが決定。既注文は、価格優先・時間優先の原則により最終IEPで約定されます
Blocking Period 上記終了次第~午前9時30分 注文休止時間で前場の準備期間です
プロセスを一瞥するとよく出来ているなと思いますが、それにつけても日本の板寄せ方式というのは優れモノであると感じます。